滋賀シンポジウム 全会議録再録 3

 


 

〜地域での警察オンブズマンの立ち上げを〜

【寺澤有氏】

寺澤有です、よろしくお願いします。

私が今回の問題でいろいろ感じているなかで、 一番大きな点を言いますと、警察のほうから催し物にけちがつきまして、ホテル側で も警察を相手にしてそれを強行することは、今後の営業活動などによろしくないとい うことで中止したということだと思いますけど、こと警察の問題に関しては今日の テーマのひとつでもあります「表現の自由」というのはなかなかなくてですね、

わた しも大学在学中から11年間あちらこちらで記事を書いてますけど、警察の問題につ いて割合自由に書けるようになったのは、ほんとにここ1,2年の話じゃないでしょ うか。

それまでは、警察の問題でかなり物証的なものも揃って、証言もあって、これ 記事が出たらどうやっても警察官何人か首になるというようなことであっても、なか なかうまくいかなくって。

なぜ、うまくいかないかというと、今回の滋賀県警のようなやり方ではなくて、警察庁とか警視庁はそこのところは上手なものですから、自分たちの上層部と、たとえば 出版社の取締役ぐらいの上層部とですね、いろいろと話をつけて、それが編集部に降 りてくるようなかたちで「ちょっとそのような企画はよろしくないんじゃないか」 と。

編集長は編集長になるくらいですからその出版社ではで出世の道を歩んでいる人です から企画を中止にしてしまう。 で、仕方がないので他の週刊誌や月刊誌で同様の記事を書くということが、ままあっ たわけですけど、ここのところそのようなことはあまりなくて、ここ一、二年は「警 察ものは売れる」ということで、週刊誌は部数が伸びていませんので多少のリスクが あってもやろうということで、かなり自由に書けるようになりました。

マスコミの業界においてもそういった感じで、警察の問題を自由には論じられない状 況にあったわけです、マスコミは一応「第四の権力」と言われてますけど。一般の 人々が警察に注文したいとか、警察の勉強会やシンポジウムをやりたいというのが あっても、なかなかできなかったと思うんです。

実際に私があちこちこういったシン ポジウムとかに招かれて、その主催者のひとの話を聞くと、警察の問題を取り上げる というようなことになると会場を借りるのに交渉に非常に時間がかかる、「警察の話 をするというのはどういうことか。それはセクト、党派がかったことなのか?」と言 われて会場がなかなか使用できないとか、借りられないということですし、まあ、警 察庁や警視庁が巧妙なやり方なのを考えると、今回滋賀県警がこのようなかなり分か りやすい形で妨害してくれたというのは、宮崎さんや高山さんは、喧嘩はそりゃもち ろんプロでいらっしゃるわけですから、受けて立って、法廷の場で戦うのは良かった んじゃないかなと思います。

良かったということですけど、1999年9月神奈川県警の不祥事が次々と発覚し て、その後全国の警察で大きな不祥事が相次いでるわけですが、ボロボロの状態に なっているなかでも警察はこのような妨害をやってくるということはまだ彼ら、滋賀 のような警察でも実際に催し物をつぶしてしまうわけですから、なかなかの実力はい まだにあるわけですね。

そこで警察を監視するようなオンブズマン活動をやっていかないと、警察が腐敗し きって好き勝手にやっているという状況を止められないんじゃないか。我々は自分の 出来る範囲で、取材して記事を書いて、そのたびに警察官何人かがクビになったりし ますけど、それにも限度があります。26万人全部腐ってるわけですから、とても間 に合わない。(黒木氏をチラッと見て)黒木さんの友達も腐ってると思いますけど (笑)。 やはり監視する人をもっと増やさなくてはいけない。

 1990年代の最初に、名古屋に市民オンブズマンというのが出来まして、当時は 行政も「日本にはオンブズマン活動なんて根付かない、欧米とかは国や地方公共団体 がやっている公的な制度なんだけど、日本は勝手に弁護士なんかがオンブズマンとか 名乗ってるんだからそんなものは知らない」とかなり冷たい態度だったんですけど、 それがだんだん仙台、大阪とか「うちの自治体でもやりたい」と。経理的な税金を無 駄遣いしているとことか、いろいろ不透明な部分を明らかにしていきたいと、いま全 国に拡がってまして、別にオンブズマンは誰が認定しているとかないわけですから、 自分たちがオンブズマンやりたいと言って何人かで始めればいいわけです。 市民オンブズマンがどうしてうまくいったかというと、やはりかなりの成果を上げた というのがあるんだと思います。

発言する寺澤有氏

 自治体が食料費だといって一番裏金を作りやすいところで税金をごまかして自分たち のポケットに入れていて、全国で何十億という金額になっていた、それを暴いていっ たというのは効果絶大で、それによってオンブズマン運動というのは盛り上がって いったという面があると思います。

 

 滋賀にも警察を監視するこういったオンブズマンを作ろうということですが、もし滋 賀県警の大きな不祥事を一つ二つをそのオンブズマンが暴くということになれば、こ ういった運動は全国に拡がっていく可能性はあるんじゃないか。

 私も警察取材してて良く分かりますけど、警察を相手に踏査したり監視していくのは 非常に大変なことなんですけど、今年の4月から情報公開法も施行されますから、い ろんな情報公開のテクニックを使っていったりとか、滋賀では県警は古くからどのよ うにやってきたのかとかその背景の部分は、外部の人間にはわからないわけですから、地元の人たちが地元の警察の良くないところをどんどん明らかにしていくという ことをされて、それで成果を上げれば必ずこういう運動は全国に拡がるんじゃない か。

せっかくやるということで、このようなシンポジウムを始めたわけですから、是非 やってもらいたいと思います。

 

 (つづく)