喜代美さんからの手紙報告 6/28

2回目の田中被告の本人尋問

がおこなわれました。裁判官は前回おつたえしたように新任裁判官のヴィロートさんがセミナー出席のため臨時に別の裁判官が今回の公判を担当しました。


この裁判官はとにかく規則どおりに事をするめようとするタイプで、警備の警察

官を法廷内の田中被告の周りに配置したり、同被告に書物や印刷物、手書きのメッ

セージなどを傍聴者が渡すのを見つけると警察官にそれらの点検を命じたりする

のです。

そんなこともあって、前回はすっかり沈んでいた検察側もいくらか勢いこんで法

廷にのぞんでいるような様子でした。


「真実のみを証言することを誓います」という宣誓で開始された本人尋問は昼休

みを挟んで午後3時40分まで続きました。


1996年2月10日(実は11日だったのではないかと思われるのですが。こ

こはポチの探偵ノートNo.12を読んでください)アメリカのシークレットサ

ビスの面々3名らがプノンペンの児玉国際貿易の事務所を尋ねハヤシ(田中被告

別名)と会いました。このときの模様をかなり詳しく田中被告は証言しました。

田中証言と米国シークレットサービス捜査官の証言とは根本的に対立しています。


つまりどちらかが偽証罪を犯しているということです。


根本的な第一の対立点。

田中被告によれば、そのとき米国の秘密捜査官らはカンボジア警察も連れておら

ず捜査令状、逮捕状も全くもっていなかった。

米国SSの証言「カンボジア政府の協力を受け、当日はカンボジアの警察官も

同行した。その警察官らの身分や名前は覚えていない。彼らは事務所の外に待た

せておいた。」


第二の対立点。

田中被告 「一階の事務机は児玉氏、わたし、他の事務所員らが共同でつかって

いたもので、会社の登記、会計書類などを保管していた。ドル紙幣を入れておい

たことはない。そもそも二階の児玉氏の部屋に金庫があったのだ。(一階の人の

出入りが多いところに不用心にカギもつけない引き出しに12万ドルもの大金

を入れておくわけがない)

米国SS 「児玉からの通報で、一階の田中の仕事机の引き出しにニセドルが入っ

ていることを知り、捜索したらそのとおり大量の偽札が出てきた」


第三の対立点。

田中被告 「当日米国SSとの会話のなかで、ニセドルのはなしなど全くでてい

ない。児玉さんとの電話のなかでも、偽札に関してなど全くはなしていない」

米国SS [一階のハヤシの仕事机に偽札が入っていると児玉が通報してきた。

その机のところに案内しろ、となんども要求した。ハヤシはそれを拒んだ。

しかしバンコクに出て行くのはかまわない、旅券を探してくる、と言って階下に

おりていきそのまま逃走してしまった。」


チャクリット弁護士は裁判官にたいし、米国SSが盗聴録音したという「児玉ー

ハヤシの電話による会話記録」を法廷名で公開することを要求し認められました。

公判傍聴者らが固唾を飲むなかでそのテープが回りはじめました。しかしあいに

くレコーダーの音量が弱く田中被告自身も一生懸命耳をくっつけて聞こうとしま

したがよく聞き取れません。

もっともこのテープの証拠というのもとても怪しげなものらしく、盗聴のオリジ

ナルテープではないらしいのです。この点はさらに調査してみようと思っていま

す。ポチちゃんにもまたしっかり「嗅明」してね、とたのみました 。


公判の開始後まもなく検察側はまた前回と同じく不機嫌な顔つきで押し黙ってい

ました。どうやらこの臨時の裁判官には新任のヴィロートさんから「田中義三被

告の本人尋問は十分時間をとってやるように」という引継ぎ事項がきちんとある

ようにに思えてなりません。。


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