喜代美レポート 

 1999  NO16 発信99/06/18

検察側「最終論告書」の

提出 断念


  いよいよタイの「偽ドル事件公判」(チョンブリ地裁)の判決まであと一週間となりました。


 5月10日に結審してから15日間のうちに弁護側、検察側から最終の意見を文書で裁判長に提出、それらとすべての公判記録、証拠にあたった上で裁判長が判決文を書き上げるわけです。弁護側が提出した田中被告に関する「最終弁論書」を全文翻訳しました。そのなかの重要部分を今日から三回に分けて紹介していくことにしたいと思います。

 それに対して、なんと、検察側は「最終論告書」も提出しないままで終わりました。(!!!)


 被告側の反証に移って一年半、検察側の勢いはどんどんしぼんでいきました。弁護側の立証にたいしてほとんどポイントをついた反対訊問もせず、席をたって法廷からいなくなってしまったり、留まっていてもみるからに不愉快そうな態度でした。検察側は一体有罪の根拠をどこに置き、どう「犯罪事実」を組み立てようとしているのかも分からなくなっている印象をうけました。

 しかし、これだけの重要な事件ですから、ある程度態勢を立て直して「最終論告書」で弁護側立証に批判を加えてくるに違いないと考えていました。ところが、それがまったく無かったのです。これはいったいどういうことなのでしょうか。かえって面食らってしまうような状況なのです。

 検察側は「有罪に足る証拠」に揺るぎない自信があって「弁護側立証など考慮にも値しない」として「黙殺」したということなのでしょうか。そうでなければ、「もう投げた」のでしょうか。

 わたしがこの一年半を通してじかに見てきたことがらからすると後者の方だとするのが自然です。ハヤシショウジさんと児玉章吾さんが証言したときの検察側の慌てぶりやしかめっ面はいまでもよく思い出します。偽札上の「田中の指紋」という虚構が崩されたときにもなんら有効な反撃はできないままで退席してしまったりしたのです。とても「有罪証拠」に自信をもっているようには見えませんでした。

 いくら「有罪の根拠」がことごとく崩れ、論破されてしまったとはいっても最後の「意地」はあるでしょうからどんな「論告書」がでてくるのかとても注目していたのです。それだけに、ほんとに、ほんとに、ビックリです。検察側の確かなところからの情報ですから、間違いありません。本当に戦意を喪ったままで最終ゴングが鳴ってしまったのです。


 「無罪判決」がだされたら、それは「証拠が不十分だから有罪にはできない」ということではなく、
「その証拠はでっち上げられたものだ」との弁護側立証が認められての「無罪」となる可能性があるのです。

 それでは検察側が反論すらできなかった争点、論点をまとめて提出された「最終弁論書」(抄訳)を今日から三回にわけてご紹介していくことします。





発売中やけど...あまり本やでみないですね。

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