賀正フォックス

宮崎学の全著作はここ

 

 

 そして つぎは空気だ

宮崎学である。

 とうとう「戦争狂の時代」の幕が開いた。

 世界は今、「自分が脅威を感じたら」たのまれもせんのに、「よその国の人民を解放する」ゆうて戦争しかけることが世界最強の軍事国だけに許される時代になったんや。今年はますます新しいロクでもない時代になるだろう、と予言して置いたが、残念ながら的中してしもたな。

 ブッシュに、どっかの国の政府が「48時間以内に子供をつれて亡命しなさい。さもなければミサイル攻撃する」というようなことを言うた図などというのは想像でけへん。けど、おなじことを自分はゆうて恥じない。

 想像力ちゅうのが根底から欠如したやつだが、そんなやつが権力の座について歴史を変えた。2度の世界大戦と膨大な犠牲者を出して、世界は一応、「戦争で物事を解決するのはやめよう」「面倒でも話し合いでなんとかしよや」という寄り合いにするチエを育ててきたのだが、その100年余のチエを捨ててしまいよった。

 そして日本はといえばアメリカの顔色みながら、世界には目立たないように「支持」を表明するしかない、というみっともない時代でもあるな。まるで「ドラエモン」のジャイアンとのび太君の関係に近いな。

 ただ今、のび太・・・やない、日本政府や小泉のび太を批判してもこれはしゃあないで。

 小泉首相が国民に説明しているとか、いないとか、どうでもええこっちゃ。

なんせ、「雰囲気」で戦争支持を決めるちゅうんや。これは大変正直、素直な発言でやな、実はこの国の権力の正体は「空気」だ、ということをあからさまに示した。

 したがって、小泉純一郎は空気のような人間である。空気でできた人間に知力や人間としての気力を期待するほうがおかしいのであって、ないもん出せちゅうのは嫌がらせかいじめである。あれは「知的に不自由な人」やとでも思うしかない。おもえば細川内閣あたりから日本の首相は空気か屁みたいなんばっかりやがな。

 

どっちも神がついた戦争

  これは日本のマスコミ・メディアの問題が多いにあるが、ま、そのはなしはおいといてや今回の戦争でケッタイなことは、どっちにも「神さん」がついとることや。どっちも「神に祈って」「神が許さない」「神に守られている」とかいうておる。なんや、時代は先祖帰りしてしもた。そのむかし「神国」「神州」とかいうておったのと全然かわらへんがな。

   1911年やったかな、大逆事件のあと幸徳秋水が死刑判決を受けた。その2日後に彼は「道極まれど 未だ 神に祈らず」と詩を詠んだ。100年近くたった今の時代に光を放つような言葉やな。どうも人類は退化しつつあるのではないか。秋水の詩は、唯物論者としての矜持を見せたものだが、その唯物論はみなこけてしもて、結局神さんが再登場したら、こうなった。

東京新聞 2003・3・20朝刊

 

つぎの敵は空気だ

 このあと、コワイのは「空気」である。

 北朝鮮問題とからんで、この国の真の権力、第4の権力というべき「空気」や。 「イラクの次は北朝鮮だ」と言われているが、それはまさにアメリカがさらに北朝鮮を挑発して核開発を進めさせておいて、「北朝鮮人民を解放する」というパターンで起こりうるとおもう。韓国に亡命した某氏をアメリカに亡命させて、北朝鮮を崩壊させたあと、彼を送り込んだらどうや、というような計画すらあるようだ。イラクの「反サダム派」の会議をやらせとるのとそっくりの発想だな。

 そうなったときの日本の「空気」はヒステリー状態になるやろ、「毅然論」「勇敢論」がはやりはじめておるの。新聞屋や文化人の論調に見える。わしにいわしたらひ弱な精神が、問題解決への粘りもコンジョもないから「はよなんとかしてくれー!」というような悲鳴の裏返しやで。

 この人らは北朝鮮が原爆開発必死でやりはじめたのはブッシュ政権が登場したからだ、という当たり前のことを見ないで、「北から原爆載せたテポドンが飛んできたらどないする?」「そらアメリカに頼るしかないわ」「ほならイラク戦争を支持するしかない」という程度の幼児以下の思考になってしもとるやないか?こらもう「空気」が北朝鮮の原子爆弾とおなじぐらい早く製造されはじめた兆候や。北の「核」同様、ブッシュ政権によって製造が加速されつつある。

 そもそも日米安保条約ちゅうのは、「日本がアメリカの戦争を支持する」というのではなく、アメリカが「極東の脅威から日本を守る」ちゅうんやろ?それやったらアメリカが北朝鮮の脅威から日本を守るのは、恩恵ではなく、条約上の義務である。そのために50年ゼニはろてきたんやろが?それ以外の選択肢を選ばずに来た日本の権力層、保守論客たちがいまなんでさわいどるんや?おまえさんらが支持し、推進してきためでたい結果がこれやんけ。先見の明があった、ちゅうてキゼンとしてよろこばなあかんがな。なにをヒステリーになる必要があるのだ?

 

北朝鮮 戦争の選択肢はない

 おもうに、こういう輩は、「保守主義者」でのうて、ただの時勢便乗オポチュニストにすぎない。20世紀最大の教訓は「社会主義国は軍事によってではなく、自己崩壊によって滅びる」という真理だ。

従って、北朝鮮に対する政策は、「いかにして内部崩壊させるか」「そのために日本は何をすべきか」ではあっても「軍事的にやっつけてしまえ」「自分ではコワイからアメリカにやってもらえ」ではない、という歴史をちゃんと総括する脳味噌がないのだな。

 しやからこの連中は韓国の新政権が軟弱だとか、妙な文句ばかりゆうとるなあ。隣の韓国は実際に戦争もした国だ。それで大儲けして、復活し、アメリカの「傘の下」で50年ノウノウとしていられた国ではない。韓国にとって「戦争」という選択肢はないのは軍事的に明らかだ。だったら、何百億円ワイロを贈ろうが、太陽政策だろうが、とにかく現状を維持して、相手が腐ってくれるのを待つ、というのは「空気」で判断するゼイタクが許されない厳しい状況から生まれた必死の戦略だ。

 今回、フランスやドイツ、そして立場は違ってもイギリスがそれぞれ主体的な選択・主張ができた。にもかかわらず、なんで日本は「空気の子」なのか。

「空気」で判決がでて、「空気」で論説がかかれ、「空気」で予算配分がきまり、「空気」で国会議員が逮捕されて、「空気」で知事が人気になったりけなされたりする。このあたりをホンマにかんがえなおさんとヤバいで。

 

 時代が否応なしに「新しい世紀」に入った以上、これまでの常識や論理もまた賞味期限切れや。空気」のなかで「雰囲気」で決めて済む時代は終わった。今日、終わった、というてもええやろ。  ん、ほならどうしたらええてか?わはは、そのような読者の要請に応えて、たてつづけに本が3冊でるから、まっていなさい。今日しょうかいしよとおもてたけどまにあわなんだ。一冊だけ紹介しておこう。 世界で一番最初に、今日の北朝鮮を予言し、暴露した元総連の活動家の本である。1962年。わしがバット持ってガッコいっとったころや。あまりに先駆的な著作だったので今日すっかり忘れられてしもとるよって、わしが復刻版をだすことにした。 近日発売になるだろう。 組員は空気とのタタカイの前によんでおくように。

ではまたな。

2003・3・20

近日発売

北朝鮮1960

河出書房新社 1800縁+税

ISBN4ー309ー24284ー7

 

 

    

 


★2003年 留学生文学賞 受賞パーティの日程がきまりました。参加ご希望の組員はお申し込みください。2次会も多分あります(^^)

こちらへどうぞ


 

 

 

電脳キツネ目組バッチ