アフガンをあんなんにしたのはこいつらの国だ
「もっとも幸運なアフガン人の妻からの手紙」
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宮崎学である アフガニスタンがこんなになってしもた責任のある超大国と元超大国のなれのはて首脳が、タリバン攻撃の「戦果」についてしたり顔でステーキ喰うとる、という現実に、わしは魯迅がゆうた「人が人を喰う時代」の「グローバル化」を見る思いだ。こんなんみとると、へそまがりのわしは、ビンラディンの「正義」を応援したくなる。ま、それは好み、として「タリバーン政権崩壊」のニュース一色やな。こういう時は、ちょっと気を付けた方がいい。 そもそも、「タリバーン政権」ちゅうのは何だ?いわば、黒沢映画「7人のサムライ」の山賊が、村を支配したようなものであった。医療、教育、建設、農業なんぞの面倒をみる「国家」ではなく、通常の意味での「政権」ではなかった。彼らの本質は「軍事」と「宗教」だけや、ちうてもええ、そういう「政権」である。 もうひとつは、アフガン30州というけど、大半が州都しかない、それも日本ではイメージしにくい村みたいなもんやし、それを「取った」らその「州」が「領土」になるような、将棋盤みたいな闘いをやっている。しやから、あっというまに「国土の90パーセント」を占領したり「半分が陥落」したりする。 しやから、アフガニスタンは「政権崩壊」してる、というより「群雄割拠の常態に戻っりつつある」といえる。 まあ、元亀天正の時代のような「英雄豪傑」時代のアフガニスタンで、「一向宗」みたいなんがタリバンで、「織田信長」も「秀吉」もおらんところに、「キリシタンバテレン連合軍」みたいなんがゼニと武器を満載して攻め込んできた、とおもたほうがわかりやすいか。 この数日の情勢でだいじなんは「南部のカンダハルでもパシュトゥン人がタリバンを攻撃している」ということだろう。 実は、このあいだ、「与謝が捕まった」というガセニュースが流れたときに、救援せなあかんちゅうので、裏ルートからアフガニスタン方面 への連絡をとりはじめてたどりついたのが、この「反タリバンの部族」というやつだった。なんのことかわしもそんときはようわからんかったが、あのあたりから中央アジアにかけては、ものすごい密輸ルートのキャラバン隊みたいなんがあって、それぞれに、まあ、むかしの馬借とかのようなコネクションがあるんやな。それを担っているのが「各部族」ということらしいんや。この連中はもともと山の民、谷の民やから武器もたせたらめっちゃめちゃ強いんやけど、この支持がないとタリバンも生き残れない。 ゲリラ戦は、地元の民衆の支持がないと戦えない。たとえ攻撃側がアメリカのドル工作の効果 であったとしても、民衆の支持があればゲリラはそうかんたんには崩れない。 それが、どうも成り行きがあやしいな。カンダハルを失えば、これはタリバンは「山岳ゲリラ」になるしかないが、彼らは元々は「神学校の生徒」だから、対立した「ムジャヘディン」のような「山賊」になれるものか、信長に刃向かった一向宗のように滅びるかやね。 ただ、だからというてアメリカの思い通りにはならない。「群雄割拠」した戦国時代、キリシタンと仲良くした大名の大半が実は「種子島」がほしかった、というのが本音だったと同じだから。 ましてみな「武器さえあれば、アメリカ兵よりオレ達の方が強い」というホコリ高い部族たちなのだ。再びゲリラ化するタリバンと、そのタリバンより中世的な「部族」たちにのっかる「軍閥」、そして「匪賊」、こんな世界に乗り出したアメリカや、ブッシュの笑顔はいまのうちだけやろな。ビンラディンが死んだら「聖者」になるだけや。 しやけど、空から食料ほって、気が済むアメリカはまだええ。えらい目に遭うのは いつも民衆である。このあいだもらったメールをひとつ紹介しておこう。「もっとも幸運なアフガン人」の妻というひとからだ。
あは、めいぷるさん、メール、おおきに。 これでアフガニスタンの「幸運」がわかるちゅうもんやな。 わたしの本をまだ一冊もよんでないそうだがわしの本は逃げていかないし、「突破者」は無料英語版もこのhpのどこかにあるから、旦那に読ませなさい。与謝が無事だったからいまのとrころアフガニスタン語の通訳の必要はないけど、なにがおこるかわからんから申し出は感謝する。
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(アサヒ芸能 11月22日号 キツネ目事件調書より )
11月3日、電脳キツネ目組組員としてパキスタンからアフガン情勢を伝えていた与謝狸庵が無事帰国した。だれやそれ?と思うだろうが、フリーカメラマンの飯田勇氏とともにタリバンに捕まったという報道を流されたもうー人の〃邦人男性ことナガイ・ケンタ。と言えば、あいつか!となるのではないか。実はあれは、俺の手下だったのである。 帰国した彼の話によると、今回の誤報の顛末はこういうことらしい。パキスタンには世界中から2000人以上のジャーナリストが集まっているが、彼らに対し、金でアフガンに入れるように手引きしたるぞ、というブローカーがいた。その話に興味を持った与謝と飯田氏は、ブローカー本人を取材しようとアフガンとの国境へ行った。つまり、2人はパキスタン領内から一歩も出ていないのだが、それをテレ朝の現地コーディネーターという、いかにも怪しいヤカラが早とちりして日本に報告。これに尾ヒレが付いた末に「アフガン潜入のジャーナリスト逮捕」ということなのだ。 わけのわからん外国人を捜すのではない。つい前日まで同じホテルにいた日本人の報道がこのザマだ。国内で記者クラブ発表情報の垂れ流ししかしたことのない大マスコミが一歩、外へ出たらたちまちに実力のほどが知れてしまったという好例やな。
こうした屁たれジャーナリストが現地には約300人以上もおるらしい。ヤツらは何をしているかといえぱ、一日中ホテルにこもって電話をかけているかテレビを眺めているだけなのだ。聞けば、会社から「危ないから外に出るな」と、命令されているというから、2度ビツクリや。 最近の新聞社は自前で記事を書かずに、もっぱら通信社から記事を買っている。記事の最後に「AP」などと書かれているのはその通信社から買いました、ということなのだが、とりあえず現地に記者を派遣しておくと、この通信社の社名ではなく、自分たちの記者の名前を入れられる。ヤツらにとってはこれが自慢になるんだろうか、そのためだけに高い金を使って記者を送り込んでいるのである。仕事はろくにしないで、プライドだけは一人前のこっちゃ。 当然、そんな連中が送ってくる情報はいいかげんなものばかりだ。 与謝の話によると、現地の様子は、われわれがテレビや新聞で見ているものとはかなり違っとった。例えば、アフガンとパキスタンの国境はすべて封鎖されていると聞いていたが、それは国境の1ポイントの話。ほかの場所では今も日常的に市民が行き来している。ほとんど隣村に買い物に行く程度の感覚らしい。ここにきてパキスタンから大勢の義勇兵がアフガンに流れ込んでいるのだが、国境が封鎖されていたら、そんなこともできるわけがないではないか。こういうちょっと考えれぱわかるような矛盾を平然と報道しているのが新聞とテレビなのだ。 パキスタン国内も緊張が高まっていると聞かされていたが、そうでもないらしい。町なかにはインタiネットカフェが数多くあって、そこでは現地のおっさんが昼間から一心不乱にエロサイトを見ているという。イスラム教の戒律が厳しくても、人間どこかで発散せんといかんということやな。もうーつ笑ったことがある。10月中旬からパキスタン国内で起こった反米デモのことだ。与謝の報告では最大時には1万人以上だったのだが、これはあくまでも海外メディア向けに行われたものらしい。その証拠にメディアの取材が終わった翌日に集まったのは100人足らずになっていたそうだ。ヤツらとしては国内で反米の機運が高まっているということをメディアを通 じて世界に伝えるのが目的だから、そりゃあカメラの前では派手にやるわな。情報戦なのだから、その行為自体はどこにも責められるようなものではない。中には日本人取材陣のためにわざわざ「KOIZUMI USA DOG」というプラカードを作ってくれているヤツまていたという。心憎い気遣いや。 ただ、こうした映像を収めた国内のメディアはほとんどない。近づくと危険だ、と思ったのだろう。しかし、与謝に言わせると、危険でも何でもない。何しろ彼らからすれぱ自分たちの主張を世界に伝えてくれる大事なお客様だ。危害など加えるはずがないと言うのである。 要するに、日本の大マスコミの連中は、現地の人が日本や日本人に対してどういう感情を持っているかすら、取材していないっちゅうことなのだ。日本の新聞やテレビなど大マスコミにおける戦争報道の一番の問題はここにあると俺は思う。ヤツらが伝えているのは冒頭でも指摘したように米軍が何発巡航ミサイルを撃ち込んだといったたぐいの政府発表情報を右から左に流すか、タリバン後のアフガンの行方がどうしたこうした。こんな議論をしたり顔の評論家が戦わせている映像などいくら見せられてもムダだ。 本当に今、必要なのは戦争という極限状態に置かれた一般市民が何を感じて、どんな行動をとろうとしているのか。それだけなのだ。ただ、誤解されては困るが何も戦争の最前線に出て行けというわけではない。そんなことをしなくても、現地の人々がどんな環境にいるかは知ることができるし、それを伝えることもできる。与謝のやってきたことは、まさにそれだ。ヤツはプロのジャーナリストではないが、この数カ月間に送ってくれたメールは、最も戦争の本質を伝えるものだったと俺は断言する。 最後に与謝から聞いた興味深い話をもうーつ披露する。ある日本の古物商が300万円の現金を持ってタリバンが所有している仏教美術などの古美術品を買いあさっていたというのだ。タリバンはもともと偶像崇拝を否定しているため、こんなものは何の役にも立たないし、一方で戦争で資金はいくらでも欲しい。古物商はそこに目をつけたのだ。タリバンからの情報では、売っ払えば数千万円以上の利益になる、という話だ。テロリストに資金を提供することになるだけに、この古物商の行為は道義的にはほめられたことでは決してない。 だが、俺はこの古物商は見上げたものだと思う。なぜなら、ヤツの行為が戦争とはどういうものなのかを体を張って示してくれているからだ。戦争反対などと口先でいくら言っても何の役にも立ちはしない。大切なのは戦争を、身近な問題として考えること。その意味から見ても、与謝やこの古物商のやっていることは非常に意義がある、と俺は言いたいのである。 与謝もがんばったけど、わしはこの与謝の話にでてきた古物商こそ一番エライ日本人ちゃうかとおもう(^^)。残念ながら組員ではないが、いつでも名誉組員としてむかえよう。 さて、ほなきょうは、大阪で突破塾やな。与謝もくるし、身内限定でアホな話をきかせよ。ほなまたな。 (2001/11/17) |