たけちよ ニューヨーク写真報告 NYのその後2
(ゲリラ7日目)とAMERICA UNITED Mon, 17 Sep 2001 17:46:27 -0400
犯罪研究家 メモリ氏の事件考察
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犯罪研究家 メモリ氏の事件考察 人類史的な曲がり角と アメリカの暴走に巻き込まれる世界 かつての湾岸戦争は、遠い場所で行われているものでしかなかった。日本には遠い つながりしかなかったのである。 では、米同時多発テロにはじまり、おそらく世界を巻き込む、報復戦争になるだろ う、現在進行中の事態もまた遠いつながりしか持たない事態なのだろうか。 本来ならそのはずである。 しかし、違いがある。 それは現在が世界的な、いや、人類史的な曲がり角の時期であるという事だ。この 曲がり方によって、未来の何割かに決定的な影響がある。 それから、アメリカは湾岸戦争の時よりも、はるかに強力に世界を巻き込んで来る という違いがある。 これをどう考えるべきか、結論は、ギリギリまで出さないでおく事にしたい。 資本主義のカニバリズム段階とテロ 米同時多発テロの決行に際して、首謀者とされるビン・ラーディンが、株、為替、 債券の先物取引をしていたという情報がある。 英米関係筋が十三日、明らかにした情報だが、ビン・ラーディンにとって巨額の利 益を得る一方でユダヤ資本に打撃を与える一石二鳥の効果があるというわけだ。 現在、米中央情報局(CIA)や英国情報機関などが捜査を開始している他、日本 でも証券取引等監視委員会が十四日から日本国内の証券市場における取引がなかった か調査を始めている。 一部では、ビン・ラーディンが持っている世界の隠し銀行口座が、マネーロンダリ ングで凍結され、資金難に陥っていたため、資金獲得を狙ってテロを計画したという うがった見方もある。 そこまでは判断しかねるが、テロに金融取引を絡めたのが本当だとすれば、テロと デリバティブが互いの要素になりあう、嫌な関係がある事になる。そして、これはと てもリアルな、あっても不思議ではないどころか、ない方がおかしいような関係に思 える。 いや、テロなどは小さい、戦争とデリバティブが絡めば、そこでの金融の動きはは るかに巨大なものとなる。 もし、ビン・ラーディンがやっていなかったとしても、英国や米国をはじめ、欧州 各国、ロシア、それにイスラエルなどが、これをやっていないはずはないと思えるの である。 愛国心や宗教心に燃えた若者たちが戦争に駆り立てられ、死地に突き進んでいる時 に、まさに、その事で金が動くのである。戦士たちの血と汗、そして生と死は、遠く で金融取引をしている者たちに食われていく。 政治の延長である戦争に、経済が覆い被さる事で、戦争が金融を介したカニバリズ ムとなった。そして、次に起こるのは、経済へのカニバリズムの逆流である。 反グローバリズムの立場でなされたいくつかのレポートに目を通してみれば、 ニューエコノミーの実態は、パートタイマーの大量雇用による賃金の圧縮による収益 の確保である事がわかる。これは左翼の言う搾取というよりは、カニバリズムと表現 した方が適正であるように思える。 かつてはフィリピンでバナナが人を喰った。しかし、現在では、世界中のどこでで も、人が人を喰いはじめているのである。 巨大資本は、自らの足元である先進国に第三世界を創出する事で発生する差異に よって儲けを叩きだしている。 テロへの反撃としてブッシュ・ジュニアのアメリカが仕掛けようとしている戦争 は、世界にグローバリズムを再度浸透させるだろう。その中で、私たちはカニバリズ ムのゲームをしなければ生きられなくなるのである。 通信傍受と思考の管理―― そして、人間の抽象化 米同時多発テロが起きたとき、まず思ったのは、エシュロンが役に立たなかったと いう事だった。 その後、いち早くビン・ラーディンが首謀者とされて行った過程を横目で身なが ら、若干の調査をした結果、いくつかの事がわかった。 シギント(電子的情報)によってアメリカはテロの兆候はつかんでいたのである。 しかし、ヒューミント(人的情報)の欠如によって、テロの具体的な作戦は読めな かったのだ。 日本にもテロがあるという情報が入っていたというのは、こういう事だったのであ る。 こうした経緯から、ビン・ラーディンが首謀者であるというのは、ほぼ当たってい るだろう。 誰が何かをしでかすだろうというのはわかっていたのだ。 だが、わかっていたのはそこまでで、だからと言って、このテロはわざと放置した という意味でのヤラセではない。被害があまりに大きすぎるのである。 おおむねわかっていたのだから、捜査には間違いのない方向が示されている事にな る。後は、裏を取ればいいだけなのだ。 ここで私たちは、エシュロンが本物のテロにはいかに役立たずか知る事が出来た。 だが、非合法なテロを行うような事はしないが、政府とは対立する立場や意見を持っ ている者にとっては、十分以上にエシュロンは役に立つ。いや、エシュロンは、そう いう市民の管理の役にしか立たないのである。 アメリカではすでにテロリストの通信傍受を捜査機関が簡単に出来るようにしよう という議論がはじまっている。 (それどころか、捜査機関が外国人暗殺までできるようにしよう、などという論議まで正気で行われ始めた!) 無駄どころか有害な結果に終わるのは間違いない事である。 アメリカは引き返せない所に足を踏み入れようとしている。 ビン・ラーディンとクンサー 今回のアメリカの報復によって、おそらくビン・ラーディンは殺されるだろう。意 外としぶとい所を見せる可能性もあるが、結局、彼の未来に待っているものは決まっ ている。 私たちは、ここで彼と似たような運命をたどった人物を思い浮かべる事ができる。 彼はテロを行ったのではない。しかし、アメリカをはじめ、世界を蝕むものとして 忌み嫌われている麻薬を扱っていたのである。 彼は黄金の三角地帯に勢力を持っていたのだから、それはあたりまえの事だった。 国境内戦で敗走し、ミャンマーに逃げ込んだ中国国民党将校であった彼は、その 後、アメリカの情報関係者たちによって育成され、訓練され、使われた。そして、最 後は敵と名指された。 こうした経歴もよく似ている。 ビン・ラーディンはソビエト・ロシアがアフガニスタンに侵攻した時に、反共の戦 士としてタリバンとともに訓練され、育てられた。だが、そのうちにアメリカとうま くいかなくなり、アメリカに対してテロの牙をむき、敵と名指されるようになったの である。 さて、それでは他の部分も似ているのだろうか。 黄金の三角地帯も、黄金の三日月(アフガニスタン)も、地政学的に黄金と名付け られたように、麻薬地帯であるという事はさておくとしても、両者には思いつきで見 過ごせる以上の共通点はないのだろうか。 つまり麻薬王とされたクンサーが実は、何人もいた王たちの一人だったというよう な事情がビン・ラーディンにもあるのかという事である。 アメリカは、麻薬王という象徴が欲しかった。そこでかつての協力者であったクン サーをスーパースターに仕立て上げ、悪の頂点においたのである。必要なのは情報操 作であった。ミャンマー(ビルマ)の事などは、誰もロクに知りはしない。 そこで、 情報操作はうまく行った。アメリカにとっての収穫はクンサーの死と麻薬戦争の形式上の終結であった。 ビン・ラーディンについて言えば、今回の米同時多発テロがビン・ラーディンの組 織だけで可能だったかという問題がある。 このテロは奇襲作戦として、軍事的側面からのみ見た場合は、高度なものとして戦 史に残るものと評価されている。 だが、そうした事実の側面は政治的には無視されるだろう。わかりやすい敵を仕立 て上げ、それを抹殺すれば、政治的には成果なのだ。 例えそれが、何の実効性も持た ず、問題の解決にもならず、次の問題を生むだけだとしても、政治家と政府は、手っ 取り早く国民の前に提示できる収穫を欲しているだけなのだ。それがクンサーの運命 だった。そして、おそらくウマサ・ビン・ラーディンの運命も同じだろう。 ラーディンはテロ王として処刑され、アメリカは対テロ戦争のとりあえずの勝利者 となる。アメリカはそのように脚本を書いたのである。 しかし、戯曲はさておいて現実を見れば、戦争は悲劇しか生まない、苦しい喜劇で 終わるだろう。 そして、テロと戦争が無限の連鎖に入るのだろうか。 |